霧谷 海兎のキリトリセン

お金や投資を中心に、さまざまなことについての知識・経験・思考を共有していきます。

良い戦略、悪い戦略

はじめに

こんにちは、霧谷 海兎です。最近読書やアニメ鑑賞をすることが増えたのですが、前に見たものを改めて見るということが多いということに気が付きました。昔良いと感じたものって外さないですからね。ただ、なんだか歳を重ねたなあと悲しくなってしまいますね。新しいものもどんどん見ていきたいです。

 

今日は「良い戦略、悪い戦略」(日本経済新聞出版社)についてです。この本について学んだ授業が、就職先の決定に大きく影響しました。(その授業は受講者が2人で、授業時間の半分は本について、半分はキャリアについての会話でした(笑))僕にとっては思い出深い本です。

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悪い戦略の特徴

本書で説明されている悪い戦略の特徴は以下の4つ。

 

1.空疎である

2.重大な問題に取り組まない

3.目標を戦略ととりちがえている

4.間違った戦略目標を掲げている

 

1は戦略のように見えるが内容がないもの。例えば本書で説明されている例では大手銀行が「顧客中心の仲介サービスを提供すること」を基本戦略にするといったとする。しかし、顧客中心などというのはサービス業では当たり前であるし、仲介サービスは銀行の本業そのものである。つまりこれは銀行業というものについて当たり前のことをそれっぽい用語を使い述べているだけで、戦略とは言えない。

 

2は重大な問題を見えていないふりをするか、軽度や一時的なものと定義することである。例えば、ある企業が組織構造に問題を抱えており、今後成長していくためには抜本的な組織改革が必要だとする。にも関わらず、目につきやすい細かい問題の改善に取り組まず、大規模な組織改革をいつまでも行わない。これではいつまで経っても大幅な改善は見込めないうえ、組織として重要な問題が放置されることで、いずれ更に大きな問題となってツケが回ってきかねない。

 

3は単純である。「顧客満足度を10%上げる」と定めたとする。これは目標であり、戦略ではない。戦略とはその戦略目標を実行するための具体的道筋のことである。

 

4の間違った戦略目標には2つのタイプがある。1つ目のタイプは、寄せ集めの目標である。例えば、経営陣が目標を定める。売上であったり利益率であったり、従業員数、顧客満足度、業界シェアについてかもしれない。出てきたものをリストアップし、達成すべき目標とすればそれらしくなるかもしれない。しかし、こうした寄せ集めの目標は、単なる列挙にすぎず、方向性も定まらず、戦略目標とは言えない。2つ目のタイプは、非現実的な目標である。私が就活中に、あるベンチャー企業の面接官が「時価総額GAFA越えをする」と息巻いていた。他の受験者も同様のことを聞いていたらしく、どうやら企業が目標として掲げているらしい。同社は売り上げこそ拡大しているものの、数字を見る限り赤字。上場企業ですらなく、下請けに甘んじている状態、魅力的な自社プロダクトがあるわけでもない。こうした企業が、戦略目標としてGAFA越えを掲げることは、モチベーションにはなる(なるのか?)かもしれないが、少なくとも戦略としてはあまり意味のあるものだとは思えない。

 

おわりに

今回は「良い戦略、悪い戦略について」のお話でした。記事では悪い戦略の特徴について主に書きましたが、本には良い戦略と悪い戦略のそれぞれ具体例を交えながら更に踏み込んだ内容まで書かれているので、興味のある方はぜひ読んでみてください!

AppleNVIDIAウォルマートだったりが例として出ています。)

 

 

(紙の書籍)

 

kindle版)

 

 

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